Q4-4. 「歴史を繰り返してはならない」と聞きますが、いま実際に日本で「虐殺」が起きるとは思えません。
A.共和国の人々に対する殺害の煽動や事件は度々起きます。2017年9月23日に麻生太郎副総理は、「北朝鮮有事」に際して共和国からの難民を「射殺」することも含め検討することを示唆する発言を行いました。また、2018年2月23日には、在日本朝鮮人総聯合会中央本部の門扉に五発の銃弾が撃ち込まれるというテロ事件も発生しました。
こうした朝鮮人殺害を起こす可能性のある発言、行動に対して、日本社会でそれを問題にしたり、抗議する声は大きくありません。たとえば、石川県の谷本正憲知事(当時)は2017年6月21日に「兵糧攻めにして北朝鮮の国民を餓死させないといけない」などと発言し、在日朝鮮人らはこれに「関東大震災時の朝鮮人大虐殺を彷彿とさせる許し難い非道な言動だ」と抗議する事件がありました。しかしその後も、この発言が大きな影響になることもなく、翌年3月11日には知事最多となる七選を果たしています。
「朝鮮人民を迫害してはならない」、「人を殺してはならない」。こうした規範が未だに確立していないのが、私たちが生きるこの社会の現実ではないでしょうか。