Q4.くり返される虐殺と迫害(3)

A.日本がアジア・太平洋戦争に敗れた1945年8月15日、朝鮮は長きにわたる植民地支配から「解放」されました。朝鮮半島では日本による支配構造が清算されぬまま南北は分断され、1950年6月25日に戦争は全面化します(朝鮮戦争)。

 この戦争で日本は、アメリカの「基地国家」として、「国連軍」向けの武器の生産・供給、兵士・物資の輸送に加え、非公式の日本人の戦闘参加、戦車揚陸艦の日本人船員の参加、機雷除去などを通じて朝鮮戦争に参戦しました。戦争によって壊滅寸前だった工業を復興させ、国際社会復帰への足がかりとしました。日本から出発した兵士や武器によって、戦争の停戦前まで数多くの朝鮮人のいのちがうばわれました。100年以上、朝鮮人の苦痛は癒えないままです。

 日本政府は、朝鮮人に対して賠償をしていません。1965年に国交を樹立した韓国に対して、政府として正式な賠償を支払っていません。また共和国に対しては、1990年、自民党・社会党、朝鮮労働党合名の「三党共同宣言」のなかで「三党は、過去に日本が36年間朝鮮人民に与えた大きな不幸と災難、戦後45年間朝鮮人民が受けた損失について、朝鮮民主主義人民共和国に対し、公式的に謝罪を行い十分に償うべきである」と発表したものの、こんにちまで、日本政府としては適切な謝罪も賠償も行なっていません。それどころか、経済制裁や孤立圧殺政策により、朝鮮人に対する不幸・災難、損失をさらに過酷なものにしています。