Q2-1. 1923年の関東大震災時の朝鮮人虐殺の背景にはどのようなことがあったのでしょうか?
A.日本軍による東アジアでの最初の本格的な軍事的民衆迫害は、朝鮮農民が蜂起し日本軍と戦った甲午農民戦争(1894-95年)のときに起きました。日本軍は、「悉く殺戮すべし」(川上操六兵站総監)という命令の下、蜂起した3~5万人の朝鮮農民を虐殺しました。
また、日本の朝鮮に対する侵略・植民地化に反対するために、朝鮮で抗日義兵戦争(1907-15年)が展開されるや、数万名が虐殺されました。日本の朝鮮植民地化と支配の過程でも多くの朝鮮の人々が殺されます。挙族的独立運動であった三・一運動(1919年)に際し、日本は朝鮮各地に憲兵・軍隊を配置し徹底的な軍事的弾圧を行い、死者は7600人余り、逮捕者は5万人近い数に上り過酷な拷問も行われました。
日本軍隊や警察の民族運動への弾圧、虐殺をはじめとする朝鮮植民地戦争の経験が関東大震災時に戒厳令のもとで発揮されることになったのでした。関東大震災時の朝鮮人虐殺は日本の朝鮮に対する侵略、植民地戦争の経験の延長上に起きたものでした。