Q1.関東大震災時の朝鮮人虐殺(4)

A.日本のメディアは、デマと虐殺を広げ、虐殺を正当化する報道を続けました。新聞により日本の各地でもデマが事実として伝えられ、地方の在日朝鮮人も厳しい迫害を受けました。例えば、仙台市の『河北新報』は「不逞鮮人一味 東北に入り込む 東京から撃退され爆弾を携帯して」(9月4日付夕刊)と報じました。このデマに恐怖した仙台の自警団は武器を持ち、仙台駅に列車が到着するたびにホームに殺到し朝鮮人を殺そうと殺気立っていました。メディアによる報道は、住民の朝鮮人に対する敵意・殺意を掻き立てていったのでした。

 メディアの責任は、デマと虐殺を広げていったことのみではありません。新聞は虐殺発生後も、政府と共に朝鮮人犯罪が事実であるかのような報道を事後的に続けました。また日頃から朝鮮人に対する差別的な報道や、日本帝国主義を賛美する報道により、日本人の中に「不逞鮮人」観や大国主義的優越感を植え付けデマをきっかけに朝鮮人迫害が行われたのでした。