ABOUT – 1923、あの日の記憶〜関東大震災時の朝鮮人虐殺を忘れないために〜

関東大震災時の朝鮮人虐殺から100年以上が経ちました。

しかし、日本政府は朝鮮人虐殺を認めず今なお歴史を否定し続けています。

2023年5月23日に行なわれた参院内閣委員会では、野党議員が政府の対応や責任を問う質問をしたところ、警察庁の楠芳伸官房長は「政府として調査した限り、事実関係を把握できる記録は見当たらず、仮に指摘の資料を確認しても、内容を評価することは困難」という答弁*を繰り返しました。

2024年7月に3度目となる当選を果たした小池百合子都知事は、朝鮮人虐殺の犠牲者追悼式典への参加はおろか2017年から8年連続で歴代知事が送っていた追悼文を送付しておりません。不送付の理由としては「慰霊大法要で全ての方々に哀悼の意を示している」と説明しており、自然災害によって亡くなった人々と、人為的に虐殺された6000以上の朝鮮人たちを区別しないことを表明しています。

政府や行政のみならず民間からも朝鮮人虐殺否定論は起こっています。

虐殺を否定する書籍の販売やネット上での「朝鮮人虐殺はデマである」という情報の流出、朝鮮人虐殺を否定する市民団体による追悼式典への妨害行為などあらゆる手段で朝鮮人虐殺の史実が否定されています。

また、現在も朝鮮人虐殺と地続きで朝鮮人差別が蔓延っています。

政府による高校「無償化」制度からの朝鮮学校除外や地方自治体による朝鮮学校への補助金の停止・削減措置、議員による朝鮮人差別発言や一般市民によるヘイトスピーチ、ヘイトクライムは後を絶ちません。

このような状況の中、朝鮮人虐殺に対する継続的な国家への責任追及と真相究明の要求、並びに都知事への追悼式典への参加及び追悼文の送付、政府や地方自治体に対する朝鮮人差別政策の是正要請が今まで以上に重要な運動として提起されていると私たちは考えます。

100年以上前に起きた朝鮮人虐殺と現在も続く朝鮮人差別問題について実際に声を上げ、日本国家と政府への責任追及及び真相究明を朝・日大学生たちを中心に日本に住む市民たちと求めていくことで日本と朝鮮の歴史的な課題を解決していくために《朝鮮人虐殺の歴史を記憶し、朝鮮人差別に反対する朝・日大学生一大行動－돌파(トルパ)プロジェクト》が始まりました。

*「100年ぶり」の国会質問に政府の答えは？　まもなく発生100年の関東大震災「朝鮮人・中国人虐殺」問題：東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

トルパプロジェクトとは？

《朝鮮人虐殺の歴史を記憶し、朝鮮人差別に反対する朝・日大学生一大行動－돌파(トルパ)プロジェクト》（以下、トルパプロジェクト）は、2023年5月に朝・日大学生たちで実行委員を組み、①関東大震災時の朝鮮人虐殺を記憶すること、②現在も続く植民地主義による朝鮮人差別を是正するため世論を動かしていくこと、③より多くの人にこの問題を知ってもらうことを目的に行われてきました。

本ホームページは、ネット上にあふれている朝鮮人虐殺否定論を問題視し、より多くの方々が正しい歴史認識を持てるよう立ち上げることとなりました。

※資料を引用する際に、「鮮人」等の差別用語についてはその歴史性をふまえ、そのまま掲載しています。

トルパプロジェクトの活動について

トルパプロジェクトは、関東大震災から100年目となる2023年一年間で朝鮮人虐殺や現在も続く朝鮮人差別に関する演劇や展示会、特別講演会、シンポジウムなどを日本全国で行い、そこに延べ1300名の方々が参加し、気持ちを共にしてくださいました。

また、同年8月21日には東京都において、デモ・パレードと集会が行われ、そこに若い世代を中心に約180名が参加し、朝鮮人虐殺の真相究明と朝鮮人差別の是正を求めました。

2024年には、引き続き「朝鮮人虐殺の歴史を記憶し、朝鮮人差別に反対するデモ・都庁前行動」及び都知事要請を行ない、朝・日学生を中心に100余名が参加しました。

今後も朝・日大学生たちで行動を続けていきます。

※돌파(トルパ)とは『突破』という意味の朝鮮語。
　朝・日大学生たちが共に行動し、現在の歴史歪曲や歴史否定論、朝鮮人差別がはびこる状況を突破するためのプロジェクトです。

2023年の記事