『地震と虐殺―1923-2024』

著者:安田浩一

出版社:中央公論新社

出版年:2024年

概要

関東大震災の発生直後、各地で飛び交ったデマによって多くの朝鮮人が命を奪われた。非常時に一気に噴き上がる差別と偏見。東京で、神奈川で、千葉で、埼玉で、悲惨な事件はいかなるメカニズムで起きたか。虐殺の「埋もれた歴史」は誰によってどのように掘り起こされてきたか。100年余りが経過した現在、何が変わり、何が変わらないのか。歴史的事実を葬ろうとする者たち、人災を天災の中に閉じ込めようとする政治家、差別行為にお墨付きを与える行政……。差別やヘイトクライムの問題を長年追ってきたジャーナリストが100年余り前と現在を往還し、虐殺事件が及ぼし続ける様々な風景を描く。

目次

第1章 「埋もれた歴史」を掘り起こす―東京・八広
第2章 虐殺を葬ろうとする人たち―東京・横網町公園、新宿
第3章 知られざる「軍民共同」の虐殺―千葉・船橋、習志野、八千代
第4章 “複合差別”が招いた「福田村事件」の悲劇―千葉・野田
第5章 暴走する集団心理―埼玉・寄居、大宮、神保原、本庄、群馬・藤岡
第6章 港町に隠された虐殺の記憶―神奈川・横浜
第7章 虐殺をめぐる様々な風景―新潟・津南町、大阪・枚方、韓国、東京・亀戸、福島・西郷村

https://www.chuko.co.jp/tanko/2024/06/005686.html