『史料集―関東大震災下の中国人虐殺事件』

著者:今井清一 監修、仁木ふみ子編

出版社:明石書店

出版年:2008

概要

王希天事件など、関東大震災下でおこなわれた在日中国人に対する虐殺事件の実態と背景を、日本政府の公的記録のほか、中国に伝えられた事件報道などから掘り起こした史料集。同じ震災下で進行した朝鮮人虐殺と中国人虐殺にどのような共通性と違いがあったのか。

目次

関東大震災下の中国人虐殺事件が明らかにされるまで(今井清一)
史料解説(仁木ふみ子)
第 I 章 大島町事件と王希天事件
 一 日本官側の発表
 二 マスコミの発表と日本民間側の調査
 三 中国留学生側の調査
 四 ある兵士と学生の日記
第II章 王希天の留学生としての活動と僑日共済会
(1) 留学生としての活動
 一 日支軍事協約締結反対運動
 二 五四運動時期の日本における留学生の言動
 三 留日学生中の勢力者等
 四 中国YMCAの活動
 五 留学生をめぐる各種統計
(2) 僑日共済会時代
 一 僑日共済会の成立
 二 救世軍の僑日共済会訪問記
 三 中国人労働者取締りに対する留学生たちの行動
第III章 在中国総領事・領事からの報告等
 一 僑日共済会副会長王兆澄の動静
 二 大島町事件、王希天事件に対する各地世論報告、進言
第IV章 日中政府間の応酬
 一 中国人被害に関し、中国代理公使と外相間の応酬
 二 外相と在中国公使経由顧外交総長間の応酬
第V章 政府の善後策決定
 一 王希天事件の覚書作成過程
 二 大島町事件に関する中国側との応酬大綱の閣議決定
第VI章 罹災中国人の救護と送還
 一 罹災状況視察と救護対策
 二 外国人罹災状況調査
 三 朝鮮人の被害報告
 四 習志野収容所の状況
 五 無償送還始まる
第VII章 中国調査員と王正廷の来日
 一 中国調査員一行の動静
 二 王正廷一行の動静
第VIII章 議会関係説明資料
 一 四七帝国議会(大正12年12月11日~23日)
 二 四八帝国議会(大正12年12月27日~13年1月31日)
 三 四九帝国議会(大正13年6月28日~7月18日)
 四 要償懸案に関する説明資料
第IX章 中国側の被害者調査
 一 温州・処州の被害者
 二 温州・処州以外の被害者
 三 温州県別被害人及び家族調査
第X章 中国と日本における追悼行事
 一 大正12年(1923年)
 二 大正13年(1924年)
 三 大正14年(1925年)
 四 大正15年(1926年)
 五 『王希天小史』の刊行
第XI章 賠償交渉と慰藉金問題
 一 条約局調査報告
 二 賠償交渉
 三 賠償金の行方
第XII章 中国人労働者の入国取締り
 一 中国人の労働制限解除
 二 中国人労働者退去処分の実相
 三 中国人労働者入国取締りの実相
 四 朝鮮、関東州へ赴く中国人労働者及び在京中国人労働者の実態(官側調べ)
 五 僑日共済会の動き
 六 法規改正の動き
各史料の日付順索引
あとがき

https://www.akashi.co.jp/book/b65843.html